マインドフルネスという言葉を聞いたことがありますか?
マインドフルネスとは、こころの元気を保つ技法の一つです。アメリカを中心に広まり、2014年にタイム誌が「マインドフル革命」というタイトルの特集記事を組んでから、日本でも徐々に注目されるようになりました。
マインドフルネスには、抑うつ症状や不安症状などのストレス反応を和らげる、集中力や創造力が高まるといった効果があることがわかっています。不安で気持ちが落ち着かないときにおすすめです。
ここでは、マインドフルネスについてご紹介していきます。
マインドフルネスの定義
マインドフルネスの定義は次のとおりです。
- 今ここでの経験に
- 評価や判断を加えることなく
- 能動的に注意を向けること
これだけだと分かりづらいかもしれませんが、詳しく説明していきますのでご安心ください。
「今ここでの経験に」
普段、私たちの注意は、過去や未来へと移っています。
「あぁ、あんなこと言わなきゃよかったな」、「前にも同じようなことがあったな」と過去のことを思い出したかと思うと、「うまくいかなかったらどうしよう」、「来週までにこれをやらなくちゃ」と未来に思いをはせてみたり。
それに対して、マインドフルネスでは、「今ここ」での経験に注意を向けます。
「評価や判断を加えることなく」
私たちは日々、評価や判断をしながら生活しています。
「これはいい」、「これは悪い」、「これは大事なことだ」、「あれはもういらないな」、「そんなことできっこない」、「うまくいかないかもしれない」、「私のことよく思っていないかも」…と、意識しているかどうかは別にして次から次へと目の前のことに判断を下しています。
それに対して、マインドフルネスでは、色づけせずに、目の前で起きていることを、ただそのまま受け止めます。
「能動的に注意を向ける」
ふとしたとき、私たちは「なんとなく」流れるままに考えていたり、ぼーっとしたりしています。
ふっと気づくと、時間が経っていた、というようなことや、お風呂でいつものルーティーンで身体を洗うなど、意識しなくても自動的にできてしまうこともあります。
それに対して、マインドフルネスでは、自分から意識して、これまでに紹介した「今ここでの経験に」「評価や判断を加えることのない」やり方で注意を向けていきます。
いかがでしょうか?
ここまでで「マインドフルネス」について、イメージが湧いてきましたか?
マインドフルネスとは、3つの特徴をもった注意の向け方・体験の仕方だととらえてみていただけると、「こんな感じかな?」とつかめてくるのではないでしょうか。
マインドフルネス呼吸
マインドフルネスを普段の生活に取り入れる具体的な方法をご紹介します。おすすめものは、まずは呼吸に注意を向けるトレーニングです。
呼吸は私たちが片時も忘れずにしている動作ですので、呼吸に注意を向けるだけで、自然と「今ここ」に注意を向けることができるのです。
この、呼吸に注意を向ける方法は、これから初めてマインドフルネスに取り組むという方にもおすすめです。
では、実践してみましょう。音声のインストラクションに従って、5分間取り組んでみてください。
- 椅子に座って、姿勢を調えます。背もたれには寄りかからず、両足の裏が床についた、安定した姿勢をとりましょう。
- 何度か伸びをすると、楽に呼吸ができる姿勢をとれます。
Let’s try!音声ガイド
まとめ
初めてのマインドフルネス体験、いかがでしたか?
今はどうしても、外の情報に注意が向いて、不安になったり、気分が下がったり、影響を受けやすくなってしまいがちな時期かもしれません。
マインドフルネスで、自分の内側に注意を向けると、少し落ち着いたような、地に足がついたような感覚が戻ってきませんでしたか?
1日5分続けるだけでも変わっていきます。
朝起きたとき、ひと仕事終えて気持ちを落ち着かせたいとき、夜寝る前など、取り組みやすい時間に練習してみましょう。
初めて、マインドフルネスという言葉を聞いた方は、「難しいな」、「これで合っているのかな?」と思われたかもしれませんが不安に思ったり、焦る必要はありません。
マインドフルネスは、ワークに取り組みながら身につけていくことで、少しずつ「これがマインドフルネスなんだ!」と腑に落ちていくものなのです。
「いまここケア」ではいろいろなマインドフルネスのワークをご紹介しますので、ぜひ取り組んでみてください。
次回の記事では身体の感覚に注意を向けるボディスキャンのワークをご紹介します。