仕事や生活が大きく変わったり、不安になったりする時間が増えたことで、夜眠れなくなってしまったという方はいませんか?
布団に入っても眠くならない、悪い夢を見て起きてしまう、ぐっすりと寝た感じがない…。そんな悩みを感じる方がいるかもしれません。
日本人の5人に1人はもともと睡眠に悩みを抱えていることが知られていますが 1) 、ストレスのかかりやすい状況ではさらに多くの人がいつもと違う睡眠の悩みを抱えているかもしれません。
今回の記事ではストレスによる一時的な不眠への対処法を紹介します。一度に全部に取り組まなくても良いので、できそうなことから取り入れてみましょう。
ストレスと不眠
私たちの睡眠のリズムには、自律神経が大切な役割を持っています。日中の活動中には、心と身体を緊張させる交感神経が働き、夜になると自然にリラックスに導く副交感神経が働きます。しかし、仕事や学校などでの強いストレスやプレッシャーがかかると、興奮と緊張をもたらす交感神経が働き続けてしまい、うまくリラックスできなくなるため、不眠となってしまうのです。
そのため、不眠を長引かせないためには、交感神経をしっかり休ませ、リラックスしやすい環境を作ることが大切です。
リラックスに導くコツ
昼間の緊張をほどき、夜に心身をリラックスさせるためにできそうなコツをいくつかご紹介します。
・部屋を少し暗くする
・あたたかいハーブティーを飲む
・好きなアロマの香りを取り入れる
・気持ちいい程度のストレッチやヨガをする
お風呂に入ると筋肉や神経の緊張がほぐれ、気持ちもリラックスしやすくなります。ただし、自然な眠気のためには深部体温(身体の中心部の体温)が下がっていくことが必要なので、入眠2時間前を目安に入浴をすませましょう。あたたかみのある色合いの照明を使用し、リラックスしやすい寝室の環境を整えるのも効果的です。
眠りにくい生活習慣を見直す
逆に、以下のような生活習慣は良い眠りを妨げているかもしれません。
・毎日の飲酒
・カフェインの摂りすぎ
・就寝直前まで仕事をする
・つい昼寝をしてしまう
・毎日、寝る時間と起きる時間がバラバラ
お酒を飲むと寝つきが良いと感じている人がいるかもしれません。しかし、深い眠りを妨げるため、ぐっすり寝た感覚などの「睡眠の質」はむしろ低下してしまいます。何度も目が覚めたり、朝起きた時のぐったりした感覚がある人もいるかもしれません。そのような経験に心当たりのある人は、この機会にお酒を控える日をつくってみてはいかがでしょうか?
自分の睡眠を振り返る
自宅で過ごす時間が長くなると、身体の疲労は少なくなります。そうすると、必要な睡眠時間が減るのは自然なことです。睡眠時間の長さにこだわることなく、日中の生活に支障が出ていないか(著しい眠気、集中力の低下など)、という点に注目してご自身の睡眠を振り返ってみましょう。
生活リズムを毎日同じにする
平日、休日の区別がつきにくくなり、寝る時間がどんどん遅くなってしまった…という方もいるかもしれません。心地よい睡眠のパターンを作るためには、生活リズムを毎日一定にすることはとても大切です。
生活リズムを作るためのポイント
- 夜寝るとき以外はベッドに横にならない
- ずっと同じ服ではなく、夜はパジャマに着替える
- 眠気を感じてから、ベッドに行く
- 朝はカーテンを開け、太陽の光を浴びる
- 起床・就寝時間をできるだけ毎日同じにするよう心掛ける
自宅ですごす時間が長くなってくると、このようなことが難しくなっている場合が多いものです。寝る時間(自然な眠気がくる時間)をコントロールすることが難しい場合は、まずは起床時間を一定にすることから始めてみましょう。
まとめ
新型コロナウイルス感染症によって自宅ですごす時間が長くなり、睡眠に悩みを抱えている方向けに、良い睡眠習慣のためのポイントをまとめました。
それ以外にも、日中に身体を動かして疲労感を高めることで、眠りやすくなります。「いまここケア」では自宅にいながらできる身体活動について記事を用意しています。
「運動量が足りなくて眠れないのかも?」と思う方はこの記事から読んでみましょう。
不眠の期間が長くなってきて気になる、という方は次の記事を参考にしてください。
<参考文献>
この記事の内容は、以下の情報をもとに作成されています。
・厚生労働省. 平成30年国民健康・栄養調査結果の概要.
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08789.html